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麗羅の館Ⅵ

第二話:今宮紗希

紗希は孝雄のころ、幼稚園にはいるまでは、母に女の子の格好をさせられていた。
生まれてから一度も髪を切ることなく幼稚園、小学校と切ることなくすごし、ポニーテールにしたり、またツインテールにまとめて女の子のように学校にも通ったものだった。洋服も中性的でどちらとも取れるようなものを着、キュロットスカートを穿いていた。時にはスカートなども穿いていたが、さすがに中学ともなると本当の自分の性、男の姿をしなければならなかった。
それに伴い髪も短くするように学校側から言い渡されたのだった。
だが孝雄の父親が県の名士あり、私立のこの学園に多額の寄付をしている関係から、毎年PTA会長を務めている母が中学の校長に掛け合い孝雄の長い髪はそのままでということになったのだった。

兄たちの通った共学の有名私立中学にはいり、男の服装に違和感を感じながら学生服にそでを通していた孝雄だったが、初めての衣替えに時期がきて、薄着になり女子の背中にブラジャーのフォックが、前かがみしたとき目立つようになってきた。そんな女子を見るにつけ、自分もしてみたいという衝動に駆られていた。
勿論、家に帰れば女性の姿で過ごしていたが、胸のない孝雄にはまだブラの必要性を感じなかったので購入していなかったのだった。

梅雨にはいると、湿っぽくいらいらした気分になる。
そんな気分のまま、女装姿で繁華街に出た孝雄は、ある一軒の高級ブティックを見つけた。女性服専門のその店には、若い女性が店番をしているだけだった。店構えも大きく、婦人用の衣類をいろいろ取り揃えていた。
こうした女装姿で外出するのは初めてではない。中学に入る前には頻繁に外出していたし、また男の娘として見られていたが、中学に入ってからも女装外出は続けていた。
最近の外出姿はあの男の娘ではなく、年相応の女の子としての装いが多くなってきていた。
今日もシフォンニワンピで外出している。男と見破られたことのない孝雄は堂々と店の中に入ると、とりあえずアウター売り場のところで物色する格好をする。店番の女性はレジのそばにおいてあるテレビに夢中で、時々孝雄を見るだけだった。
そしてじわじわと下着が置いてある方にいき、ブラジャーを手にする。その瞬間、妙な興奮を覚え、とりあえず、サイズを見る。
普通より小さい自分の胸囲と照らし合わせ、70Bを手に握り、同色のショーツを物色、サイズがMであることを確認し、そそくさに、レジに持っていった。
店番の女性は、顔色一つ変えず、値段を見てレジに打ち込み”○○円です、でも試着しなくっても大丈夫?”とやや心配そうな顔をして言った。

「・・・いつもこのサイズだし・・・ちょっと大きめだから・・・まだあたし、発育中だから・・・」
「そうね・・見たところ、まだ中学生みたいだし・・」
「・・・・・・・」
「でも・・・一度、試着したら・・・」
「・・・・じゃあ今度は・・・試着・・・します・・・・」
「あら、また来てくれるの?・・待ってるわ」

いくらだったか孝雄には記憶がない。ただ、興奮は十数分歩いた後でもやまなかった。ブラジャー、ショーツの入った紙袋を、大事そうに小脇に抱え、家へと急いだ。

孝雄は、兄弟、個人個人に与えられた一人部屋に入り、内鍵をかけた。開かないことを確認し、袋から下着を出し、裸になり、まずショーツからはいてみる。男性のシンボルが大きなふくらみを見せ、すっきりとした平らな股間でないことに不満があったが、自分で購入してきた下着ということに興奮していた。

次にブラジャーを手に取り、値札をはずし、そっと胸に当ててみる。初めてのブラの感触はなんと肌触りの良いものだろう。そんな思いのまま、ストラップに両腕を通し、後ろのフォックを留める。
なかなかうまく留まらない。少し小かったかもしれない。しかし、伸縮性ある、この下着の虜になっていることは確かだった。
業を煮やした孝雄は、ストラップから腕を抜き、フォックを前に持ってきて、そこでフォックを留め、回転させて、フォックの位置を整え、後からストラップに腕を通した。そして、部屋にあった小さな手鏡で、自分の姿を見てみる。やはり胸に何か入れないと、と思い、近くにあったタオルをいれてみる。少しは様になったが、やはり不自然だった。しかし、今日はここまでしかできなかった。その夜は、そのままで寝ることにした。ベッドにもぐりこみ、下半身に手を当ててみる。すると、シンボルは大きく勃起し、ショーツからはみ出していた。そのまま。ショーツをずりさげ、マスターベーションをはじめた孝雄だった。

朝起きて、再び自分を確認する。そして脱ぐ事にためらいを生じ、タオルは取ったものの、下着はそのままで、男物のTシャツを着る。タオルを取った後のブラジャーと肌とに隙間ができ、乳首がすれていた。つんつんとブラジャーが乳首に刺激を与え、妙な気分になっていた。
顔を洗おうと、洗面台にいった。そこには帰省中のすぐうえの兄がいたが、顔を拭いている最中で、孝雄の姿は見えなかった。そして、顔も合わせず去っていった兄だが、濃い色のTシャツのせいで、ブラジャーのシルエットには気づかずにいた。
学校にも着けていこうと思ったが、さすがに白いシャツでは目立ってしまう。ブラを身に付けていくことはあきらめたがショーツはそのままで股間に膨らみをもったまま登校したのだった。

幼年時代の衣類などはまだ破棄せずにいた、だが今の年齢にはあっていない幼いデザインだったのであまり身に付けることはない。
僅かにつかえるのはショーツくらいだったので、孝雄は年齢にあった衣類を買い漁ったのだった。
それからの孝雄の女装は、拍車がかかり、メイクを覚え外出も頻繁になっていった。

髪の毛はすでに腰あたりまで届いていたので鬘をつける心配はなかった。
この髪の毛はいまでも切っていない。
感覚的には毛先は生まれた時の物という感覚だった。
ポニーテール風にたばねた髪を解き、ワンレンに整える。
そしてお化粧をし始める。
収斂化粧水で肌を引き締め、ファンデーションを塗る。
もちろん、産毛などは綺麗に剃ってある。
中学に入ったころより男性化を嫌い、脱毛などの措置は取っていた。
だからいまこうしてお化粧をしていてまだ若い肌の孝雄の顔は見る見るうちに少女の顔へと変わっていく。
母親似の彼の顔は女性的だったゆえにちょっとした化粧で女の子に変身できる。
チーク、ハイライト、ノーズハイライト、・・・・
アイメーク・・・
アイシャドーを塗り、アイライン・・・
生まれつきまつ毛は女の子のように長かった。つけまつげの必要のないほどに・・・
マスカラでまつ毛を強調し、細くした眉に眉ずみで眉を書く。
最後は・・・淡いピンクのルージュをひく・・・
この瞬間が孝雄にとって最高の気分の高まるところだった。

濃いめではあるがナチュラルに見えるお化粧法を見つけ出した孝雄は今日決めていた衣装を身につけ始める。
ブラとショーツはおそろいの淡いピンク。
赤色系のチェックのプリーツのミニスカート、パープルのキャミソールをかぶり、生足に白いニーソックス、あとはシューズだが・・・
ある店で見つけたピンクのハイヒール、踵は5cmくらい・・
これくらいがいまの孝雄の限界・・・これ以上だと長時間歩けない。
あとはカーディガンを選ぶ。
といってももう決めてある。
きょうはピンクの日。
下着からピンクでまとめてきている。
当然カーディガンもピンクに。
長い髪の毛は真ん中で分けワンレンに、本当は眉あたりで切りそろえたいが学校のこともあるし今はこのままで我慢しておくことに。

カーディガンを羽織り、大鏡でファッションチェックをする。
そこには清楚なお嬢様を思わせる少女が立っていた。
孝雄はナルシストだ。
その可愛い清楚な少女に恋をしている。
自分が微笑むことにより自分に微笑んでくれていると感じる。
それはナルシストの世界だった。

外出のほうも、彼の部屋が母屋と離れていたため、裏門を通れば家のものには気づかれなかった。
部屋のほうも内鍵を掛け、電気を消せば寝ていると思い不審がられることはない。
ただ、時々母が部屋に入ってくる。しかし、母に見つかっても理解はしてくれると思っていた。
幼いころ、あれだけ、自分に女の子の格好をさせたのだから。

初めは、歩きやすいローヒールだったが、2ヶ月もたった現在では、ハイヒールも履きこなし、また化粧も随分上達していた。
どんどん増えていく洋服も初めは、押入れに隠していたが、あまり多くなり今では部屋に設置されているクローゼットに綺麗に並べてつるしてある。また下着の洗濯は風呂に入ったときにしていた。干し場は決まって押入れの中だったが、初めの梅雨時は部屋の中が湿っぽくなって、少々閉口したが真夏のころにはすぐ乾いて、お気に入りを使いまわすのには都合がよかった。
やはり初めのころの外出と言えば、夜が多かったが、いまでは、昼間でもスポーツバッグに女装用品を詰め込んで、なに食わぬ顔をして家を出て、電車で一駅いったところにあるちいさな神社の社の中で、着替え、化粧をして街を歩くのだった。
うねざりでどちらかと言うと、女性っぽい顔立ちの孝雄は化粧栄えもし、少々大人びた格好をすれば、誰も男と気付かれることはなかった。

中学に入り三か月位した頃、孝雄の周りの男子、同級生は変声期が近いのか時折出す声は次第に低くなり始めていた、しかし孝雄は本やインターネットなどで男の変声期の仕組みを知り、どうしたらよいか考えたのだった。
それは男性ホルモンと女性ホルモンに関係があった。
第一成長期に男は男性ホルモンが女は女性ホルモンが分泌される。
男の声が低くなるのはこの男性ホルモンのせいだと断定した孝雄は高いままの声にするには男の象徴である睾丸を取ればいいのだと・・・
そして何度となく自分で切り取ろうと思ったが痛みにまけて断念せざるをえなかった。
だがある文献より男が女性ホルモンを摂取すると女性化が進むと書いてあった。
そこで孝雄は通販で女性ホルモンを入手し飲み始めたのだった。
もちろん注射でも摂取がいいのだけれど中学一年生、まだ16歳の誕生日も来ていない孝雄に情勢ホルモンを投与してくれる医者はいない。
今でこそ性同一障害者であればそれも可能かもしれないが・・・

いろいろな文献から孝雄はエストロゲンとプロゲステロンを同時に摂取することにした。
それにより孝雄の身体は男性的になることはなく声変わりしないむしろ女性に近い声を持ったまま中学を終えようとしていた。

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megumi2001

Author:megumi2001
仕事・家事・執筆・・・・忙しく動いています
家事は・・・新彼と同棲中・・・・なので
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