第三話:今泉陽菜
4その日以来、俺は彼女にのめり込み他の同僚たちと同様、彼女との淫行の順番を待つようになっていた。
もう純女には見向きもしなかった、ただ彼女との淫行を楽しんでいた。
そんな関係が大学を卒業するまで続き、俺はホモに成り果てていた。
彼女のほうも一年したら元に戻るという約束など忘れたかのように女になるために身体を作り変えていった。
女性ホルモンの投与、睾丸敵失、顔の整形と続き、一年もすると淫棒以外、どこから見ても女そのものの身体になっていた。
しかし俺は女らしくなっていく彼女と淫行することに苦痛を感じていた。
そうなのだ、俺は女を抱くのではなく、女として抱かれたいのだ、そんな心の内をひた隠しながら彼女が女に変わっていくことに羨ましく感じていたのだった。
俺の大学生活はひたすら野球に没頭し、自分の心の内をひた隠したままで過ごしたのだった。
後輩の彼女は女への階段を突き進み、女になるべく性転換手術を受けていた。
俺にはそこまでの勇気はない、自分の願望に突き進む彼女を羨ましく思うだけだった。
横たわった俺の目の前で豊満な乳房が揺れている、俺は今あの彼女と淫行をしているのだ。
騎乗位の好きな彼女は俺に跨り、萎えた俺の淫棒を創った淫膣の中に嵌め込んでいる、もはや俺の淫棒は女の膣では滾らなくなっていた。
その俺と彼女は淫行しようというのだ、だが俺の陽根は一向に滾る気配はない。
「あん・・あん・・ああ・・むふ・・・ああん・・もう・・・」
「・・・・だから言ったろ…もう・・俺はお前とはデキないんだ・・・」
「・・どうしてなの?・・・あなたの・・あなたのために・・女になったのに・・。。」
「・・・俺は・・すっかりホモになったみたいだ・・・ちんぽが・・・ちんぽがないと・・勃起しないみたいだ・・」
「・・・・・・・」
彼女は蔑んだ目で俺を眺め、ため息交じりに呟いた。
「もう・・終わりなのね・・・わたしたち・・」
「・・・・・」
俺としては彼女をステディな関係と思ったことはない、単なるセフレだった。
しかし、俺の陽根が勃起しなくなった理由が彼女の女性化、淫膣を造ったことだったとは他の者には口が裂けての言えないことだった。
このことが弱みになり、俺は彼女の言いなりになるしかなかった。
俺が女性器では役に立たないことからホモとされ、男娼まがいのことをさせられたのだった。
アマチュア野球の頂点に立つ男が、男でなければ受け入れないという秘密を抱え、裏の世界で俺は彼女によってたびたび客を取らされていた。
「あぁぁぁぁぁ、あぁん、あん・・ん・・・ふぅ・・・あぁん!」
「・・・・・・・・」
「あは・・・ぁん・・・ぁン・・・きもち・・・いい・・・」
「・・・ううむ・・・締まりがいいなぁ・・・これがあのドラフトナンバーワンの実体か・・・・それにしてもいい声で啼くなぁ・・・・ううむ・・・いくぞ・・・出そうだ・・・」
「あぁん・・・いや・・・いやぁ・・・」
「・・むむむ・・・はぁ・・はぁ・・はふぅ・・・」
「あぁぁ・・・とってもきもちいいぃ」
俺の嬌声がマンションの部屋に響き渡っている、今日もまた客を取らされていた。
だが、それは別段苦痛なことでもなかった、むしろ心待ちにしている心境でもあった。
菊門を貫かれ、さんざん菊壁を陽棒で擦られた末、嵌められた淫棒から熱い精液を挿入される、この瞬間が俺にとって最高の快楽だった。
あれは彼女と最後の淫行が終わった三日後のことだった。
彼女から会って欲しいという連絡が入ったのだ、もちろん俺には躊躇いがあった。
しかし彼女の『会ってくれなければ、あのことを皆に言いふらすわよ』という脅しに似た言葉を聞いて渋々ながら指定されたシティホテルに出向いたのだった。