2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

麗羅の館Ⅶ

第二話:今宮紗希

話は遡るが女装用品を買いあさるうちになじみのブティックもでき、彼を男と知っても、快く売ってくれる。
時には、似合いそうな服を取っておいてもくれるようにもなっていた。
また、そこは化粧品も扱っていて、化粧品は勿論、化粧法も丁寧に教えてくれた。
ただ、店の店員は彼がまだ中学生とは思っていなかった。
だから、自然と濃い目ではあるがナチュラルに見える化粧法を見つけ出したのかもしれない。
それは普通の中学生ならこんなに買い物ができる程お金があるわけがなかったからだ。

そんなある日、どうやら母の入った気配を感じた。孝雄は几帳面で、クローゼットの中はいつも整然と並べ、その間隔もきちんと等間隔にしていた。また、整理ダンスに入れてある下着も、綺麗に畳んで、次に使いたいものを一番手前においておくのだったが、帰ってあけてみると、位置が違っていた。
しかし母は何も言わなかった。それどころか、下着を洗って。綺麗に畳み整理ダンスにしまっておいてくれるようになっていた。
また洋服も、時折クリーニングにも出してくれた。
無くなっていると気づいた二三日後には、ビニールのカバーこそ付いていないが、クリーニング屋のタグが付いていることがある。大雑把の母らしい行動だったが、孝雄はこれで母から公認を受けたと思った。
決定的だったのが、孝雄が中学二年になって、今のままの身体に嫌気がさし、通販で入手した女性ホルモンでは飽きたらず医者による女性ホルモンの投与で身体を変えようと決意し、近くでは近所の評判になるので、やはり電車で4駅も向こうのある産婦人科に行き、女性ホルモンの投与を願い出たが、未成年であるため断られたのだった。
迷いに迷って思い切って、母に相談したところ、彼女はちょっと困った顔をしたが何も言わず、別の病院に連れて行ってくれたのだった。
そして投与する日には必ず付き添ってくれたのだった。

その日以来、母は時折、孝雄に似合いそうな服を買ってくるようになった。
また、孝雄が受験しようと思っている高校のちかくに、マンションを買い与え、そこに住むよう勧めた。
上の兄達もそうしていたので、父は別段、反対はしなかった。
そのマンションは、まさに女の子の部屋となっていた。すでに男の服など学校に着ていくものくらいしかなく、冬服のときなどは、下着は勿論女性物だった。
ただブラジャーにパットを入れられないことだけが不満だった。
下校したあと、部屋にいるときはいつも女装でいた。
また、髪も生まれてから一度も切っていなかったので、普通の女装者には必需品の鬘などはいらなかった。
化粧の方もいろいろなバリエーションを覚え、いまではメイクアップアーチストに負けないくらいになっていた。
また学校にブラジャーをつけて行けない夏服になるころ、女性ホルモンを二年も投与したおかげでBカップ以上の膨らみを見せていた。乳首は自然に大きくなり、ブラを着けない夏服が、その乳首をこすり、快感を感じることもしばしばだった。
このころから孝雄は、水泳の時間は見学するようになっていた。胸の膨らみが目立つようになっていたからだ。
陰で、おかまとよばれるようになったのも、このころだった。

女生徒からは疎まれ、男子生徒からは胸を触られ、股間を握られることもしばしばだった。
こうなると孝雄も、開き直りブラジャーを着けていくことにためらわなかった。
しだいに大きくなっていく乳房はすでに80Bでは小さかった。しかし、このくらいのサイズは、可愛いデザインのものが多く、無理してでもこのサイズを、選んでいた。
そんな可愛いデザインのブラジャーが、夏服を通して女生徒の目に留まり、どこで買ったのだとか、一度貸して、とかいろいろ聞いてくる者もでてきた。
孝雄も最初は反抗心からか、なかなか話には乗らなかったが、次第に打ち解け、下着のみならず、洋服、化粧の仕方など、知っていることは教えるようになっていた。

ある秋の日、肌荒れがひどいことに気付いた孝雄は、手入れの仕方を女性誌などに紹介されている方法で試してみようとして、よみふけっていた。そして、そのある一項に、ニューハーフ談として、睾丸を取った後、肌が肌理細やかになったとあった。
そのときは、なるほどと思っただけだったが、日を増すごとに肌理の細やかな肌に憧れを持つようになっていった。

そしてまた、母に承諾してもらい、いまベッドに横たわっている。今度は、母もすんなりとはいかなかった。
了承を得るまで3日かかった。そして、承諾書を渡してくれるとき、
「どうせ、ホルモン注射で性機能が壊れてるもんね、いまさらね・・・」
と少し自嘲気味に言ったのだった。女の子が欲しいと言う気持ちとは裏腹に、自分の子に子供、孫のできる可能性を失わせてしまうことに抵抗があったようだった。
しかし、彼女のいうとおり、孝雄の性機能は失われていた。
以前の様にペニスは勃起はしなくなっていたし、たまに試しにしてみるマスターベーションによって出る精液は、さらさらしていて粘りなどなかった。
おそらくもう壊れているのだろう。
性的興奮をしても、勃起はしなくなった代わりに、他の部分に異常な快感を覚えるようになっていた。
たとえば、乳房、乳首は勿論、わきの下、耳の後ろなどに息を吹きかけられると、ぞくっとする快感をたびたび感じていた。
これは、女子達のいたずらの一環で、ときには、彼女達に胸を触られ、感じて乳首を立たせたこともあった。
そんなときでも、勃起はしなくなっていた。

全身麻酔のせいで、下半身で行われている行為は寝ている間に終了していた。
外では、付添いである母が待っていてくれた。
術後はその日のうちに退院も可能だったが、一応2日間の入院をして、ベッドを空けることになった。
睾丸摘出のあと、初めて自分の足で歩くのだが、何か身体が軽くなったような気がしていた。
飛び跳ねても下で揺れる物がない、これだけでも孝雄にはすばらしいことだった。
部屋に帰り、改めて自分の身体を入念に見てみる。小さなペニスと袋だけになった孝雄の恥部は、ショーツを穿いても膨らみが、あまり目立たなくなっていた。
麻酔の切れたときなどはあまりの痛みに摘出したことを、後悔したが今はその痛みも男との決別と思うことにしていた。
母はすでに帰っていた。彼女は後悔しているのだろうか。
しかし孝雄は、なにやら人生が変わった気がしていて、浮かれた気分でいた。
鼻歌交じりに化粧をしている。また外出しようと思っていた。
洋服を選びそれに合わせた化粧を施し、ヘアースタイルで完成させる。
そんないつもの、外出のパターンだった。

翌日からは、孝雄は髪をポニーテールにまとめるのをやめた。
背中を覆いつくすほどまで伸びた髪を内カールにし女性っぽいワンレンにした。
こんな格好ももはや女子、先生の公認のようになっていた。
制服であるセーラー服を薦める女の子もいた。そのときはまだ、睾丸があったため、断っていたが、今薦められれば間違いなく着ていただろう。
こんな孝雄の行動はすでに、県の名士である父の耳にも聞こえているはずだが、彼からは何もいってこなかった。

県下一の進学校にトップで入学した孝雄は、中学と同じ髪型で登校していた。また下着も、あいかわらず女性のものだった。
制服も女子のものと考えなくもなかったが、一応戸籍上男である以上、男子の制服で通っていた。
しかし、下着に関する校則はなかった。また髪の毛も、必要以上の変化にとんだ髪の禁止はあったが、長髪の禁止はなかった。またパーマの禁止もあったが孝雄の場合パーマは掛けていない。
詭弁と取る人もいるだろうが、とにかく、ぎりぎりのところで、とどまっている孝雄だった。
中学のときの孝雄の評判を聞いていたクラスメートは別に彼を差別するようなことはしなかった。
トップで入学したことの対する畏敬の念があったのかもしれない。
とにかく孝雄は女装にのめりこみ、その速度はさらに速まっていった。

春の休みを利用して整形もした。それまではテープで二重にしていた目を二重にし、、ついでに鼻を高くし、今は歯の矯正もしている。
女装を始めて以来、眉は毎日、毛抜きで抜いて整え、永久脱毛も2週間に一度は整形病院で行っていた。
その成果は、肌の肌理細やかさにあらわれ、液毛の処理もしなくても良くなっていた。二年生になるまでは、可もなく不可もないありふれた生活だった。あくまで、孝雄にとってはではあるが。
二週間に一度のホルモン投与は、彼の身体を急速に女性化し、身体のラインはきわめて女性に近づいてはいたが、ところどころで男を感じさせていた。

そこで、また春休みを利用して、整形することにした。
シリコンをいれ胸を大きくし、あばら骨を一対取り、ウエストを細くしようとした。
または母の承諾が必要だった。
母ももう迷ってはいなかった。しかしあきらめの気持ちからではない。
男としても女としても、満足に生きられなくなったわが子に、できるだけのことをという考えからだった。
もはや、男としての生殖機能はない。
男として生きていけないなら、孝雄の望む女性に近い身体に、と考え始めていた。
確かに自分が女の子が欲しいあまり、過分な協力をしてきたことも、反省はしていた。

新学期は始まり、登校した孝雄を見て回りは驚いた。胸があまりに大きくなり、制服のボタンがはちきれそうだった。その制服の下のズボンに至っては、もっと不恰好だった。
ウエストが60cm以下くらいまで細くなっていたため、ズボンがしわになり、昔の巾着みたいになり、大きくなったヒップはそのズボンをはちきれそうにしていた。

そして何より変わったのは顔だった。やや大人びた顔は綺麗さを増すとともに妖艶さの醸し出し。とても高校生にはみえなかった。

しかしクラスメートはそんな孝雄の変化に、気づいた様子もなく参考書を開いていた。
孝雄もべつに、クラスメートの注意を引くために、身体を変えているわけでもないので、同じように、参考書を開いて勉強し始めた。
とにかく、県下随一の進学校である、他人のことなどかまって入られない。
毎年、十数人の東大生を出すこの学校はすべからくこの調子だった。
二年生の中ではその第一候補が孝雄だった。定期的に行われる実力テストでの孝雄は、いつも、ほとんど満点で、テスト終了後はクラスメートが答えを聞きに来るくらいだった。
そんな孝雄だから、生活指導の先生も文句は言えなかった。
まったくの校則違反をしているわけではないのだから。
孝雄のほうも、本当は薄化粧や香水などもつけたいのだが、変に先生を刺激してもという抑えた気持ちでいた。その代わり、部屋に戻れば、はじけたように女装に走っていた。

今日も例の整形医院で、耳にピアス穴を開けてきたところだった。
いつかはと言う気持ちはあったので、可愛いデザインのピアスを買いためておいたのだ。
着替えと化粧も終わり、なれない手つきでピアスをはめている。
穴に引っ掛けるアメリカンピアスやドロップ式ピアスもあるのだが、あえて難しいキャッチタイプのものに挑戦していた。
鏡を見ながらはめているのだが、どうしても、反対に映る鏡を見ていては、うまくはめられそうになかった。
そこで鏡を見ずに指の感触だけではめてみることにした。うまくいくそうである。
一番のお気に入りをはめ終えた孝雄は、残りをアクセサリーボックスに仕舞い、勉強のため机に向かった。
こうした日々の勉強は、幼稚園に上がる前からしていて習慣、日課になっていた。
耳のピアスの感触が、なんとなく新鮮で嬉しかった。
これまでは、イヤリングだったので、次第に痛みを感じてきたがこのタイプのピアスは一向に気にならない。
時には、つけていることを忘れてしまうこともあった。

就寝前の孝雄は、どんなに忙しくても、必ず化粧は落とし、スキンケァは欠かさなかった。
今夜も入念にコットンパフをはたいている。
風呂上りということもあって、身体は火照っていた。
マニュキュアもしたいんだが、塗るのと落とすのに時間がかかりすぎるため土日以外はあきらめていた。
一度落とし忘れて、そのまま学校に行ったことも会った。
そのときは淡いピンクだったので誰にもきずかれずにいたが、いま、そんな淡い色のマニュキュアは持っていなかった。

朝が来た。顔を洗いまた入念なスキンケアをする。歯を磨き、朝食を取る。
トーストにスクランブルエッグ、野菜サラダとミルク、簡単なときはこれが孝雄の朝食だった。
時にはご飯も炊くが一人前だけご飯を炊いてもおいしくないのであまり和食はとらない。
後片付けをして、また歯を磨く。
彼は食前、食後は必ず歯を磨く。
白い歯に憧れを持っているのだ。
カルシュムの足りない日本人は一様に歯が黄色いと言われている。
しかし彼の歯は真っ白だった。
これも、脱色をしてエナメルを塗っているせいだった。
こんな小さなところまでより女性に近づけようと努力していた。

現在孝雄は85Dのサイズのブラジャーをつけている。
今日はショーツともども、ピンクにまとめてみた。
シリコンを入れたせいで、今までのブラジャーがきつくなり、手術後に結構買い変えたのだが、まだ4枚しかなかった。ショーツのほうはそのまま使えたので、100枚近くあるのだが。
また、洋服もかなりきつくなっているものもある。着て着られなくはないが、胸が押しつぶされて苦しい。
着れそうな物を選んでみたところ、10着ほどしかなかった。
後の40着は、処分と言うことになる。
あげてもいいような親しい友人は、いなかった。リサイクルショップにでも持っていこうかと思っていた。
ハーフカップブラを背中でとめる。この作業も慣れた手つきになっていた。
初めは身体が硬かったせいかかなり苦労をしたが、今は女性ホルモンのおかげで身体も柔らかくなり楽に背中のホックを止められrつようになっていた。
また最近は大きいサイズでも結構可愛いデザインのものが出ていて選ぶのに迷うこともしばしばだった。

ブラジャーを着けたすぐ上から、Yシャツを着る。
女性の場合、あいだにスリップなりタンクトップなり、身に着ける下着はあるが、孝雄は買ったことがない。
ブラジャーの上に着るシャツなり、ブラウス、ワンピースの裏地などの肌触りが好きで、スリップのように一定のものに固定はしたくなかった。
ズボンを穿き、ベルトを締める。どうやら、ズボンはオーダーしなければ、どうにも格好がつかなかった。
63cmあったウエストが今は、60cm以下になり、これによって穿けなくなったスカートがたくさんある。
ロングスカートの場合だったら、まだ穿けるが、ミニの多い孝雄のファッションは、何か考えなければ。
ウエストラインを下げて穿けばいいのだが、それだと、脚が短く見える。
ヤッパリ買い替えかと、諦めているところだった。

隠したファッションの一つに、ペティキュアがあった。
昨夜、入念に塗っておいたものだった、これを黒い靴下で隠してしまうのは、もったいない気もするが、先生の目があるため仕方ない。
手の指のほうも、マニュキュアさえしていないが、毎日やすりで手入れしている、来るべき土日のため。
制服のブレザーを羽織った孝雄は、ボタンを留め、髪の毛にブラシを入れていた。
この髪の毛も、枝毛ができないよう、絶えず手入れをしていた。
髪が痛むということでドライヤーを使うときなどは極力低温で乾かしていた。
そのため風呂上がりの髪の手入れは常に2時間を要していた。
その生まれて以来切っていない髪も今は、お尻の真ん中ほどまで伸び、つややかな光沢を放っていた。
額に真ん中で自然にわけ、こめかみあたりで安全ピンで留めていた。
歩いていて、揺れる乳房が嬉しい。
すれ違う人は、この異様な姿に目を丸くする。
見慣れた人にはなんともないが。歩くとき孝雄は、いつもハイヒールを穿いたときをイメージしている。
だから今もできるだけ、膝を曲げずに歩いている。
こうすることで、たまにしか穿けない、ハイヒールを穿いたとき困らないように訓練しているのだ。

テーマ : 創作官能小説連載
ジャンル : アダルト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

megumi2001

Author:megumi2001
仕事・家事・執筆・・・・忙しく動いています
家事は・・・新彼と同棲中・・・・なので
更新、遅れ気味で・・・

長い目で見てください

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR