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麗羅の館ⅩⅡ

第二話:今宮紗希
8 

二人は買い物をしている。
母が自分にしてくれたように、自分も沙羅にいろいろプレゼントしてあげようと考えていた。
親からの仕送りはたっぷりあり、毎月使いきれなかった。
それに、なにか妹ができたみたいで嬉しかった。
“お姉さま”という響きもよかった。
大きなデパートでいろいろ揃えている。
個別に店を回ればいいのだが、今日は必要なものは、一気に揃えたかったので、こんなときはデパートのほうが、都合がよい。

インナーウエアーから始まり、アウターを買っていた。
ピアスや指輪、ペンダントなどの小物もそろえ、化粧品コーナーにきている。
紗希のでもいいが、今の彼女の化粧品では、沙羅には大人向けすぎた。
10代半ばには半ばの化粧の仕方がある。
それは紗希が経験してきたことだった。
靴も買った二人は、タクシーで紗希のマンションに向かっていた。
たくさんの買い物袋を、両手で抱きかかえ、大事そうにしていた。
数々の買い物の支払いのとき、沙羅は自分で払おうとしたが、紗希は兄からお金を預かっていると嘘をつき、彼女が支払いを済ませていた。

汗だくで帰った二人は、シャワーを浴びている。
最初嫌がった沙羅だったが、紗希の強い勧めに観念したかのように、裸になった。
その裸体はまさに、少女だった。
ノズルを沙羅に向けながら、じっくり観察していた紗希は、とりあえず肋骨抜きと豊胸からはじめようと思った。
とにかく、この幼児体系から変えようと。
幸雄に電話して、整形部門に知り合いはいないか聞いて見た。
いるのはいるが、腕が悪くて任せられないとの事だった。
初めから暗礁に乗り上げてしまった。
仕方ないので化粧法からはじめていた。より自然に見せる方法を、三日間掛けて習得させ、おしゃれ用まで進んだときだった。
幸雄から、連絡が入り、医者が見つかったとのことだった。

教えられた住所のところに沙羅と出かけた紗希は、郊外の真新しい洋館に唖然とした。
ここが本当に病院なのかと、どう見てもホテル、またはラブホテルにしか見えなかった。
しかし今現在の状況ではここに頼るしかなかった。
幸雄は自分はここに顔は出せない、といってこなかった。
“まったく、兄貴のやつ”と舌うちはしたが、東大の助教授ともなれば、いろいろ係わってはいけないこともあるだろうとも思った。
二人は意を決して中に入ることにした。
中は閑散としていて、患者などいなかった。
あたりを見回すと受付に一人のナースらしき若い女性を見つけた。
背の高い綺麗な女性でまるでモデルのようだった。
人当たりもよく、絶えず笑顔で、診療室まで案内するから付いて来るよういった。

紗希は付き添いらしく、おとなしい、膝上5cmくらいのライトブルーのタイトミニスカートに、ノースリーブのブラウスだった。
いずれも無地だった。
沙羅のほうは、デニムを切ってホットパンツにしたものと、今の学校の夏服のシャツだった。
半袖のそのシャツの下は、ブラジャーもせず、中性的な格好でいた。
髪も後ろでポニーテールの位置よりかなり下で束ねていた。
化粧もしていないこの格好に沙羅は不満そうな表情をしていたが、今日はこれでいいと紗希は思っていた。

若いナースに連れられて二人は、病院の奥へと連れていかれた。
そんなに大きな病院ではないが、そこそこの病室があり、たまに、病室に入院患者を見る程度だった。
10室ほどの病室群を抜けると、いきどまりだった。
ナースは振り返り、辺りを見回し誰もいないことを確かめると、壁の端を押した。
すると、壁は反転し、入り口ができた。
まるで忍者屋敷だった。
そこを入りくだり階段を下りると、また壁になった。
今度は電卓のようなものがついていて、それに数字をいれ、隣のタッチパネルに左手の人差し指を当てた。
指紋文証であいた壁を通りぬけ、さらにくだると、明かりのついている部屋があった。
ここが手術室らしい。
どうやらこの病院の地下は非合法らしい。

そこには、二十代半ばの医師らしき女性が待っていた。
「いらっしゃい・・・・あら、どちらがご希望なの?」
それもそうだ、プロの目から見れば紗希が男であることが一目瞭然だった。
自分では完成度の高い女装と思っていたがいとも簡単に見破ら得た紗希は、
「・・・こちらの・・・あの・・妹のほうなんですけど・・・あの・・わたしって・・男と・・丸分かりですか?・・・」
「うふふ・・いいえ・・あなたは完璧よ・・・声も女性的なソプラノだし・・・ただね・・女性としては完璧すぎるのよ・・まだ二十歳前でしょ・・その歳でそこまで完成された女性なんてあまりいないから・・ちょっとカマをかけてみたのよ・・」
「・・・完成された・・・・」
紗希は愕然とした、自分では何とか女性らしくとあらゆる面で心を砕いてきたが女性らしすぎて、それが違和感を感じさせるだなんて思ってもみなかった。

そんな挨拶のあと、
「○○様の紹介で、手術をさせっていただくわ。整形についての希望があればなんなりと・・」
紗希は出鼻をくじかれ、自分の本性を見抜いたこの女医にすべてを任せようと思った。
女医に希望と言われ言いよどんでいた沙羅に代わり、豊胸と肋骨の除去を申し出た。すると医者は、「分ったわ、・・でも、今後他も変える予定があるんだったら、今ぜんぶ済ませたらどう?料金のほうは気にしなくっていいから」と、全身整形を薦めてきた。それならと紗希は、「じゃあ、鼻を高くして、目をもう少し大きくして、頬にふくらみを持たせ、お腹の脂肪吸引と、精巣、睾丸の摘出、・・・」
紗希は意地になっていた。もう他にないかと考えていた。メモを取っていた医者は、「睾丸摘出までするんだったら、いっそ性別適合手術までしたら?・・」と水を向けてきた。紗希はあっけにとられ、沙羅を見た。
すると、彼女はうなずいていた。
たぶん沙羅には、最初紗希が言ってたことなど何のことなのか理解はしていなかっただろうが、性別適合手術の言葉に反応してしまったのだろう。

医者に一切お任せの手術が行われている。
先は不安で一杯だった。
自分でもしていない性転換手術はどうなんだろうかとか、いきなり、全身を代えてしまって大丈夫だろうとか、不安はつきなかった。
そんなもやもやした不安の中の8時間だった。
最後に医者は紗希にも、性転換手術を薦めたが、あれほど女性の身体になりたいという気持ちもどこへやら、性転換手術にしり込みをしたのだった。
全身、包帯巻きの沙羅がベッドに横たわっている。まだ、どんな風に変身したのは分からなかった。
すべては、包帯の取れる三週間後だった。
目も大きくしたため、顔は口と鼻の穴だけを残し、包帯が巻いてあり、胸から下半身まで同様だった。
太腿まで巻いてあるのは、ここの皮膚を他に移植したに他ならない。
されるがままだった沙羅はまだ麻酔が効いていて眠っている。
包帯で表情は分からないが、沙羅はこれで満足だったんだろうか。

紗希は毎日沙羅の入院している病院に通っている。
今は、包帯で巻かれているので着替えの必要はない。
沙羅は包帯の取れるのを心待ちにしているのだ。
しかし紗希はもし失敗していたときのことを考えると、いてもたってもいられなかった。
また幸雄のも見舞いに行くよう、催促はしているが“今の地位の自分はいけない”と言い張っていた。
確かに東大病院脳外科医の彼の立場では、闇で非合法な手術をしているこの病院にはこれない。
助教授ではあるが、結構な地位まで上り詰めた幸雄だった。
今度の教授会で教授に推薦されるらしい。
しかし紗希には、そんな兄の出世なんかどうでもいいことだった。

最近こうして、沙羅よく話している。
今も、兄とのセックスを紗希は、根掘りはぼり聞いている。
週何回とか、体位は何とか沙羅以外だれもいない病室で。
こんな下ネタに沙羅は、顔を赤らめているだろうが、包帯で顔色は分からない。
術後二週間は経っていたが、初めの3・4日は痛みで夜も寝られないほどだったらしい。
いまも、突如痛みは来るらしいが、術後に比べれば、結構耐えられる、と笑っていた。
今日は包帯の取れる日だった。
なにやら紗希も心がうきうきしている。ここ三週間毎日沙羅の元に通い、まる姉妹のようになっていた二人だった。包帯が取れれば即退院ということだったので下着の着替えは持ってきた。
サイズは聞いてあったので、問題はないが、洋服はどうしようと思った。
そこで苦肉の策として、帰りに退院祝いに途中で買ってあげようと考えた。
靴もそのとき、服装にあったものでと。

顔のほうから、包帯が解かれていく。
目は閉じたままで、という医者の注意を守り沙羅は塞いだ瞼をぴくぴくさせている。
鼻が見え、口が現れ、首に巻かれた包帯まで取り外され、いったんそこで、顔部分の確認だった。
綺麗に変わっていた。
まずは目だった。内側をやや切り、二重を深くしたおかげで、大きくなった目は、以前やや離れ気味だったのが、解消されていた。
鼻も低くはなかったが、ここの先生の開発した特殊なものを入れたおかげで、形の良いものに変わり、それよってバランスの崩れた頬にふくらみを持たせ、唇も厚くしてあった。
そしてそんなに目立ってはいなかったが、喉仏が取れてすっきりした首、ここでは完璧だった。
また、耳にはピアス穴もあけてあった。

上半身の包帯が解かれていく。
豊胸手術前の話では80cmといわれていたが、どうみても85cmはある乳房だった。
乳首も大きくされていて、乳輪も作られていた。
女性ホルモンの効果によって肌の肌理も細やかになっていた。。
しかし急造的に作られたにしろ、見事なできばえだった。
医者の話によれば、肋骨群の中央部分を切り取り、鯨のひげで締め上げているということだった。
それにより、アンダーバストが小さくなるという説明だった。
アンダーバストが小さくなれば、当然カップサイズが大きくなる。
Dカップといわれていたが、今の感じでは、Fカップくらいになっていた。
ウエストも65cmだったのが肋骨を一対取ことにより60cmを切るくらいまで細く仕上がっていた。
これにも理由があった。
なんと胃袋を取ってしまったのだ。
ただ、食事は3時間おきにという医者の言葉だった。
しかし沙羅はその言葉を守りそうにない。
細くなったウエストにうっとりしているのだ。
臀部にもシリコンが入れられ、女性とまがうほどの大きさになっていた。
紗希も入れてはあるがここまで見事ではない。
恥部を紗希は見たことがないので分からないが、医者の満足そうな表情を見ればわかる。
たぶん成功なのだろう。
しかし、円筒状のものを取り出し“これを、用を足すときと、セックスのとき以外は、挿入しておくように”と注意していた。
忘れたり、わざと入れないという行為をしたなら、塞がってしまうとも。

兎にも角にも、とてつもない美女になった沙羅だった。
ここを出るときは、着たときの服と考えていた紗希だったが、まず持ってきたブラジャーがあわない。
ショーツは何とか入るのだが。
仕方ないので、紗希自信のいつも持っている予備のブラジャーを着けようと思うなだが、カップが合わない。
トップはいいのだが、アンダーが合わない、紗希はDカップだった。
仕方がないので、アンダーはゆるいがきつくはないので、それを身につけていくことにした。
だが上に着るブラウスの胸部分がはちきれそうだった。
もともとローティーン用だったため、バストサイズが小さくできていてボタンが留められない。
仕方ないので、下にTシャツを着ることにし、その上にブラウスを着ることにした。
ブラウスの裾をウエストから出し、胸部分はボタンをはずし、ウエスト部分だけボタンをはめることにした。
そんな服装で多少、見られるようになった沙羅のファッションだった。

歩くたびに揺れる乳房の感触に、沙羅は嬉しそうだった。
しかし、紗希は帰り際に女医に言われたことを思い出していた。
『これは依頼者の希望です。』ということだった。
では、幸雄の、ということなのか。なぜか複雑な心境だった。

そのあとの、下着や洋服選びが大変だった。
まず、ショーツはよかった。可愛いデザインのものもたくさんある。
しかしFカップのブラジャーがない。こんな大きなサイズはなかなかなかった。
仕方ないので、トップ合わせのアンダー成り行きで3枚ほど買ったが、それではこの身体にした意味がないと思い、いろいろなデザインで、10枚ほどオーダーし、それにあわせて、ショーツもオーダーした。
こうなれば紗希も意地である。
あとで、幸雄に金を取り立てようと思い、洋服も、20着ほどオーダーした。
というのも、バストがFカップでウエスト60cmなんて既成服はなかった。
さらにヒップ88cmなんて・・兄貴は何を考えているんだろうと、思ったとき腹が立ってきた。
いつも沙羅を裸でいさせるつもりかと。
身体の張り付くようなものから、少女っぽいものまで、いろいろバリエーションに飛んでオーダーしたのだった。

小物類やバッグ、靴などなど、とにかくすぐ必要なもの以外は送ってもらうことにしてきた。
ここまでの、支払いはゴールドカードで済ませてきたが、ちょっとした買い物のため、現金をATMで下ろしたが、残高の多いことに気付いた。
かなり買い物をしたにもかかわらず、多すぎる残高だった。
不審に思い、わざわざ銀行のカウンターに行き、調べてもらったところ、幸雄から500万円の振込みがあったのだった。“兄貴も結構考えてるじゃん”とおもった。

部屋に戻りスレンダーグラマーになった沙羅は、大鏡で何度も何度も見入っていた。
そして、色々なポーズをとり、悦に入っている。
紗希は、パソコンに向かい、なにやら出てくるウインドウを見ている。出てきたら、なにかを入力しまた何か入力しと、さらには理解できないことをしている。
ここのところ紗希はパソコンの技術が向上し、コンピューターソフトグラマーも顔負けな位になっていた。

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